会長からのご挨拶

原点に立つ

(2011年7月)


秋葉四郎

  この度の大災害では、直接間接いずれにかかわらず多くの会員の皆さんが被害にあわれ、厳しく辛い日々をお過ごしのことと思います。心よりお見舞いを申し上げる次第です。併せて一日でも早い復興を切に願うものであります。本クラブは全国組織であり、当該東日本地区には殊に多くの会員がおられますことを私どもはしっかり胸に刻んでおります。被災地の皆さんとともにあるという連帯の思いをつねに忘れず、今後の活動をして参り、長期にわたって可能なかぎりの支援をして参る所存であります。
 さて、去る五月二十一日の総会において新執行部が承認され、わがクラブは新幹事を迎え新たな出発をいたしました。中央幹事が一体となって更に元気な執行部となり、より文学団体にふさわしい活動をして参ります。今や日本歌人クラブは、各方面から高い評価を受けるようになっております。本来のあるべき姿になっているという声を身近な先輩歌人等より多く聞き、感謝とともに身を引き締めております。
 会や団体は、その構成員の必然的な必要、思い、目的などがやむにやまれぬエネルギーとなって生まれます。結集しないではいられない勢いが形になっているものであります。日本歌人クラブも昭和二十三年九月、今の日本のような国難の時代に生まれました。一人一人の生活すらままならない太平洋戦争敗戦後の貧困と価値観の混乱の中で、大歌人たちが発起人となり、後に戦後歌壇を支え、戦後短歌史の主役である中堅歌人達、太田青丘・渡辺順三・近藤芳美・佐藤佐太郎・木俣修・宮柊二・香川進らがいわば下働きをして、このクラブを支え推し進めたのでありました。第二芸術論など短歌否定論が出る時代の風の中で、無償の短歌を愛する純粋な思いを一つにしたのが本クラブの原点であります。そのことを今私は改めて深く思います。全国の作歌者を生き生きとさせる日本歌人クラブでありたい、そのために努力を惜しまない覚悟であります。